日本タッチケア協会の歴史
1988年 聖マリア病院でのNICU(新生児集中治療室)で、保育士による赤ちゃんを手で包み込む、さするなどのタッチが始まり。
保育士は触れることで皮膚色が良くなったり、表情が現れることに気付きました。
「この子、触ってあげるといい顔するんです」が始まりです。
それまでのNICUで保育器に入る子は、産まれてすぐ保育器の中で機械と機械音に囲まれ、周囲の人間はみんな白衣にマスク姿。そして、つらい処置を小さな体でひとりぼっちで受けていました。
退院後、反応のない笑わない子に育っていました。そして、お母さんも親子の一番大切な最初の時間に母子分離。虐待のリスクが高く、問題となっていました。
1997年 世界小児科会議にてアメリカの大学の博士(心理学・精神医学部門教授)が早産児への接触療法としてタッチセラピーの研究成果を報告。
1998年 東京慈恵会医科大学の医師を会長に日本タッチケア研究会を発足。
1999年 この研究会がアメリカの大学研究所にて研修を受け、その後日本全国で研修を開始。
この頃、アメリカの専門家によるNICUセミナーで「発達促進ケア」として、お母さんに産まれてすぐの赤ちゃんを抱っこしてもらうカンガルーケアやベビーマッサージ等が紹介。
2011年 日本タッチケア研究会から「日本タッチケア協会」に名称を変更。
日本でのベビーマッサージの元祖だそうです。
厚労省の「健やか親子21」推進団体活動を展開しています。
科学的根拠のあるマッサージを、医師・助産師・保健師・看護師・医療保育士などの専門家が研究・普及していることが、他のベビーマッサージにはない当協会の特徴です。
タッチセラピーは世界中の医療機関で実施されていて、乳児だけでなく、障がいのある方からお年寄りまで幅広い場面で行なわれ、その有用性が確認されています。
今の会長の橋本医師は、「卒乳」という言葉を提唱された先生と伺いました。
〇NICUでのタッチケアの効果〇
(今では赤ちゃんの状態が可能な限り、お母さんに保育器の中の赤ちゃんに触れていただいています。)
・救命率の改善
・入院期間の短縮
・合併症の減少
・赤ちゃんの情緒の安定
・寝つきが良いなどの入眠効果
・質の高い睡眠の増加
・良好な体重増加
・免疫機能の改善
・ストレスの軽減
お母さんにとっては、赤ちゃんとの触れ合いに喜び・自信・満足感・母性の誘発などの反応が見られ、良好な母子関係の築きと愛着形成の成果を発揮しています。
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